飛行機に揺られ、空港に着いた。 俺は2組に分かれた帰国グループの第1組だ。 学校行事などがあると AY●SA へ言えば、2期組に入れるらしい。 俺の場合、言っても受け入れられないと思うので諦めた。 空港に着くと、そこにはすでにたくさんの懐かしいメンバーが揃っていた。 地域ごとにある程度集まって Los Angels(ロサンゼルス)へ行くらしい。 慎太郎や金さんはまだ来ていない。 全く変わってない人もいれば、誰だか分からないほど変った人も。 Pre-AY●SA での懐かしい話で盛り上がっているとすぐロスに到着した。 ロスの空港に着くとさらに大勢の懐かしい友達がいた。 マサと直哉と瑠衣は正装で会う約束をしていたらしい。 約束を忘れていた瑠衣が空港で慌てていた。 その場でYシャツとネクタイを出して正装に着替えていた。 外見は変わっても中身が変わっていなくて少し嬉しくなった。 空港にはホテルから迎えのバスが来ていた。 ホテルにいるみんなに会いたかったのでさっさとバスに乗り込んだ。 ロビーに入ってビックリ。なんとそこにいたのは Eli●abeth(仮名)。 電話を途中で切ったあの Eli●abeth(仮名)だ。 俺に名札を渡す時に名前を見て気付いたのだろう。 一瞬目が合ったがすぐに目をそらした。 呆れて何も言う気にならなかった。 聞かなくても分かるような説明を聞いた後、自分の部屋へ向かった。 部屋に入ると真っ暗。電気をつけてまたビックリした。 誰かがベッドで寝ていた。 チェックアウトを忘れて寝過ごした客だと思い 「Excuse me?」と、声をかけてみた。 その瞬間、寝ていた人とは思えぬ速さで起き上がった。 彼の名前は契子郎でルームメイトだ。 眠そうだったので静かに部屋を後にして直哉の部屋へ。 部屋にはマサや瑠衣を始め、みんながいた。 Pre-AY●SA の話題で大いに盛り上がった。 夕食の時間になって食堂へ足を運ぶ。 すると後ろから聞き覚えのある声と共にどつかれた。 金さんだ。フロリダ州だけあって真っ黒に日焼けしていた。 1年前からは想像できないような変わりようで新鮮だった。 食事の時間になっても慎太郎は来る気配なし。 確かに帰国は前期グループだと言っていたが・・・。 みんなに「アラスカだから仕方ないよ」とバカにされていた。 結局、慎太郎は千寿とかなり遅れて到着した。 その夜、慎太郎達が部屋に来て夜通しで盛り上がった。 次の日はディズニーランドへ行くので寝なきゃいけないが・・・。 そして俺達は一睡もしないで次の日を迎えた。 適当にグループに分かれてバスに乗り込む。 今日もみんなハイテンションでバスの中はかなりにぎやか。 行き先はディズニーランドとカリフォルニアアドベンチャーのどちらか。 悩んだ結果、カリフォルニアアドベンチャーに決定。 ディズニーは子供の乗り物が多そうで、しかも混んでそうだったからだ。 予想は的中。どの乗り物もあまり待たずに乗ることができた。 遼も加えてジェットコースターの乗った時のこと。 スタート地点に戻ってくると待っている人が1人もいない。 係員に気付かれないように座っているとそのままスタート。 ちょっと得した気分になって風になっていた矢先の出来事だった。 ガタン! 音を立ててジェットコースターが止まった。 少しして放送が流れる。どうやら不具合が見つかったらしい。 しかたなく非常階段から下へ降りることに。 下に見える人はアリのように小さい。 最も高いところで止まってしまった。 すぐに係員が命綱をつけてやってきた。 俺らの手を取り、非常階段にたどりついた。 そこから命綱なしで下まで行かされた。 手すりは片側のみ。反対側に足をすべらせたら終わりだ。 かなり貴重だが、また危ない経験をしてしまった・・・。 その夜はサッカーロシア戦。 アメリカではあまりサッカーは人気がないためか放送していなかった。 仕方なくスペイン語放送で観戦することに。キックオフは朝の4時半。 今夜も続けて徹夜。飛行機の中で寝ればいいや!とまたもドンチャン騒ぎ。 解説は何言ってるか分からなかったが、みんなのテンションで大盛り上がり。 日本がゴールを決めた瞬間は凄まじいものがあった。 次の朝、2日連続の徹夜にも関わらずハイテンション。 空港に着いて手続きを済ませ、ようやくロビーに到着。 離陸の時間まで慎太郎、遼と共に爆睡。 結構時間があったみたいで、ぐっすり眠れた。 いよいよアメリカともお別れしなくてはならない時がきた。 足早に飛行機に乗り込み自分の座席を探す。 ところが俺の座席にはすでに男が2人仲むつまじく座っていた。 日本に帰ったら会うこともなかなかできなくなるだろう。 Pre-AY●SA の頃から仲のいい2人だったのでそのままにしておくことに。 しかし、後ろからも続々と乗り込んでくるので俺もどこかに座らなければ。 取りあえず空いている座席に適当に腰を下ろそうと奥へ進み腰をおろしたのが廊下側の席。 隣の席は睦美だった。 この座席に座ったことが運命の出逢いのきっかけになるのだった。 そんなことは知る由もなく、飛行機が飛ぶのを待った。 飛行機はゆっくりと滑走路を走りついに離陸。 もちろん悲しかった。いつかまた戻ってこようと心に決めた。 シートベルトのランプが消えるとみんな席を離れ友達の席に向かった。 飛行機の中は一瞬にしてまた賑やかになった。 睦美も近くの子と離すから席を替わってほしいと言ってきた。 特に断る理由もないので快く承諾。 その時、隣の席になったのが良子という女の子。 とてもいい子で日本に着くまで一緒に映画見たり、ゲームしたり一緒に盛り上がった。 みんなの盛り上がりようはすごかった。 一般客はかなりムカついただろう。 思い出話に花を咲かせる人、写真を撮る人、様々だった。 しばらくするとみんな住所交換を始めた。 日本に着いたらみんなともこうして会えなくなるからだろう。 俺のところにも結構聞きにきてくれた人がいた。 すると良子がごそごそと英検の本を取り出した。 機内でも勉強か?と驚いていると表紙をめくって俺に渡してきた。 「ここにお手紙書いて」と一言。 みんなはメモ帳に住所とメアドを書く程度なのに2ページも書いてと言ってきた。 手紙書くの苦手なのによりによって2ページも・・・。1時間かかってようやく書き終えた。 良子は誰とも住所交換をしていないのに、俺にだけ手紙を書いてと言ってくれて正直嬉しかった。 何て書いたか微妙に覚えてないのが怖いけど・・・。 その後はテトリスやったり、機内食を食べたり、映画を見たり・・・。 確か映画は「the others」だった。大して怖くないのにすごい怖がりよう。 急に「ワッ!」っと脅かすと泣きそうになってしまった。 飛行機に乗って大分時間が経った。思ってたよりも早く日本に着きそうだ。 みんな荷物を準備し始めた頃、気づくと良子がいなくなっていていた。 後から知った話だが、その日に沖縄に帰るために国内便に乗らなくてはならなかった。 搭乗員がそういう子はみんな集まるように言っていたらしい。 ところが、ただ説明を聞くだけだと思っていたらそのまま降ろされてしまったのだ。 そのため「さよなら」も言えずに帰ってしまった。 飛行機はとうとう日本に着いてしまった。 どことなく気が重かった。各自現地解散なので友達とはここでお別れ。 そして家族との感動の対面の予定が親はボールペンほどの太さのピアスに激怒。 空港には両親に真也とばぁちゃんが来ていた。 家に着いてしばらくすると学校帰りの哲也とじぃちゃんが家に着いた。 家に入って初めに天井や家具の位置が低いなぁと感じた。 しばらくしてから Mom と Adam に電話した。 無事に帰国したことを話すと「早く戻って来い!」と言われ胸が熱くなった。 電話を切って改めて自分は日本にいるんだと感じた。 そしてそのままベッドに突っ伏して眠った。 ここでようやく約1年に及ぶ波乱万丈の留学生活に終止符が打たれた。 ←戻る |
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